福祉資料、役立てて 元教授・神里さん 2万冊の寄贈先募る 「多系統萎縮症」発症し決意
神里さんは昨年夏、神経系難病「多系統萎縮症」の診断を受けた。最近は発語や歩行にも支障が出始めているが「これからは当事者として、生の …
RareS.コメント
福祉の領域で研究を続けいていた元沖国大学教授の神里さんが、自身が指定難病の「多系統萎縮症」を発症したことをきっかけに、今後も活動を続けるに当たり、福祉関係書籍約二万冊の寄贈先を募っています。
多系統萎縮症は、40歳を好発年齢とし、αシヌクレインという物質が脳内に蓄積し、進行性に細胞が変性していく疾患です。そのような蓄積や変性が生じる理由に関しては不明で、基本的には孤発性の疾患であり、遺伝性疾患ではないと言われています。ふらつきから寝たきり、パーキンソン病的な症状まで症状が多岐にわたり、発症から10年程度で亡くなられる方が多く、現状の治療法としては対症療法しかありません。
神里さんは専門家であり、当事者として新しい提案ができるとかんがえ、改めて活動を続けることを決意し、同時に、「いつか、後輩たちに今後の福祉を託す日が来る。彼らの役に立つこともしなきゃ」と話し、寄贈を決めました。
研究者などの専門家と、現場の当事者や関係者は、互いを敵視しようと思えばできる理由が見つかりやすいことから、しばしば対立的関係になってしまうことが言われます。しかし、多くの部分で共通する目指すべき未来に向けて、互いに手を取り合っていくことがこれからは求められていくでしょう。立場の垣根を超えて、協力していきたいですね。